形を追う

2012.04.21(Sat)

『竹について』 Comment-Trackback-
『どんなものにもデザインした人がいる。』
美大を出て工業デザイナーをしている叔父が言った。

ちょっとしたお菓子のパッケージや駅の看板、
電話や封筒や文房具やなにやらかにやら、みんなデザインした人がいる!
そう考えるとものの見え方がまたひと味違ってくる。

人にはある一定の気持ちのよいバランスというものがありそうだけど、
やっぱり最後は人それぞれ心地よいデザイン(色も含めて)は違うものだとつくづく思う。
素敵だなと思うモノもあれば、
え~っって思うモノもある。
でもその、え~っていうモノも誰かがいいなって思ってデザインしたものだから、
それでいいのだ。

では、私のカトラリーは。。。

以前に、フォークのデザインについて少しだけ書いた。
あの時からまだあまり進歩していない。

去年はとにかく手を動かした一年だった。
けして売れているといいたい訳ではなく(!)
発表する機会をそれだけいただいたからだと思っている。
農繁期の一時期をのぞいては、作り続けていた。
そうすると、手の動きが早くなったり、無駄なことをしなくなったり、
効率が少しでもよくなるように考えたりするので、
当然どんどん作れる様になる。

けれど、作り続けた末にふと思う。
デザインってこれでいいのかと。
デザインっていうとたいそうなことをしている様で照れくさい。
形、という方がしっくりいくかもしれない。

食べ物をすくいやすい形とは。
握りやすい形とは。
心地よい形とは。
美しい形とは。

人の暮らしが関わる以上は、人という存在抜きにしてその形は考えられない。
どんな風にそのカトラリーが人の暮らしに寄り添うことができるのか。

今年に入ってからそんなことをずっと考えていた。
私にはデザインする能力があるとはとても思えないけれど、
形を追い続けることはできる。
そんな風に思う。

こんなことを色々な人が言葉にしているのをこれまで何となく見聞きしながらも、
まだ考える余裕も無かった。
そう思い始めた頃、吉祥寺outboundの店主、小林和人さんの著書『あたらしい日用品』
に出会った。

そのものの持つ役割や形、優れたデザインについて、
色々な角度から書かれていたのでつぼにはまり、
仕事の合間に工房で2回も熟読してしまった。
鋭い視点の合間に、微笑ましいお子さんのエピソードがまじったり、
小林さんのこだわりにユーモアを感じる。


『心地よい形を決めるのは使う人だ。』
ということにちょっとこだわっている。
これまで身をもって体験してきたから、これはゆるがないと思う。
自分が失敗したかな?と思うカトラリーでも、
手に取ってくださった方にとっては使いやすいということが何回もあった。
だから、一本ずつの形を追う、型のないカトラリー作りをこれからもずっとしていきたい。


来月のまつもとでは、そんなことを改めてかみしめ作ったものを並べたいと思う。

それから、今まできちんと取り組んでこなかったことにも挑戦してみたい。
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Author:okisaya19771123
山梨の山村に住み、田畑に取組みながら竹のカトラリーを作っています。
※只今育児中につき、制作はお休みしています。

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